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連休に入る前にTV放映されていた『評決』という映画(シドニー・ルメット監督、1982年)を、録画しておいて連休のあいだに視た。 シドニー・ルメットといえば『十二人の怒れる男』(1957年、ヘンリー・フォンダ主演)があまりに有名だから、同作については説明の必要もないだろう。怒れる12人とは、ある裁判の陪審員たちのことである。 『評決』も、タイトルから覗われるように、法廷が重要な舞台となる。しかし、今日このブログの話題はこの映画の中身のことではないです。 ポール・ニューマンが扮するのは、かつては有能だったのに、いまや酒浸りになってしまった初老の弁護士。彼が行きつけの酒場で、ビールのジョッキに生タマゴを割り入れてあおるように飲む場面がある。 酔流亭はビールがもちろん好きだし、生卵もよく食べる。しかし、生卵をビールに落として飲んで美味いだろうか。うまいとは思えないし、現にポール・ニューマンも美味しそうな顔はしなかった。あれは長く独り暮らしをしている男の手っ取り早い栄養補給ということだろうか。卵は栄養価が高いし、ビールはカロリーがあるから。 晩年の小津安二郎にそういう習慣があったというのを、この本で読んだのを思い出した。 第8章〔ものの哀れ〕の中に、こうある。 「撮影中は、昼食時になると撮影所前の食堂〔グールメ〕へ行き、小瓶の黒ビールと普通のビールをコップに半々に注ぎ、そこに生タマゴを二つ入れて飲む。これが小津の昼食である。」(386ページ) 小津は大酒のみである一方、野菜や果物は嫌いな偏食家であった。いちいちお昼を摂るのが面倒くさかったのだろう。 夕方からは、 「”ミルクの時間”だと言って、五時に撮影を終えると食堂に直行して酒になる。」 こんな飲食をくり返しては長生きはできない。右頸部悪性腫瘍のため1963年に没したとき小津はまだ60歳だった。 上の写真の本『小津安二郎日記』は、いま奥付を見ると1993年9月20日第一刷発行とある(講談社刊)。当時、銀座の裏通りに〔並木座〕という小さな映画館があって、古い日本映画ばかり上映していた。小津安二郎、溝口健二、成瀬己喜男・・・。酔流亭はよく観に行ったから、それで小津安二郎に関心を持ったのである。 しかし、ビールに生卵を入れて飲む気にはならないなあ。
by suiryutei
| 2026-05-07 09:02
| 映画・TV
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