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ご近所から袋一杯の蚕豆(そらまめ)を頂いた。 前日に買い物に行ったとき、スーパーの野菜売り場に蚕豆がたくさん出ていたので、一瞬、買おうと思ったのだが、思いとどまってよかった。 桜前線が北上していくように、蚕豆の産地も西から東、南から北へと、しだいに移っていく。2月いや早いと1月下旬ごろからスーパーなどに蚕豆が出始めるが、産地は鹿児島や熊本、長崎である。 短い春をへて、初夏の今や、関東でも採れごろになる。「蚕豆が一番うまいのは大相撲の五月場所のころ」と言われる所以。この言葉は山口瞳が発したことに注意であって、あの小説家は東京生まれ・育ちであった。このあいだスーパーで蚕豆を買わなかったのは、産地が鹿児島だったからだ。鹿児島産にケチをつけるつもりは毛頭ないけれど、関東でも採れるようになったのに、何も遠くから運ばれてきたものを選ぶことはない。 茹で上がりを撮ったので、画像がちょっと曇ってしまった。蚕豆はマニュアルでは茹で時間3分とあるけれど、鮮度がいいから2分ちょっとで茹で上がった。素晴らしく美味しかったこと、申すまでもない。 なお、上に名前を出した山口瞳(1926-1995)は東京の山の手生まれだが、1964年、37歳のとき都内の西のほうの国立市に居を移し、亡くなるまで暮らした。酔流亭の高校時代からの友人、矢野勝己氏が3年前に上梓した好著『文学する中央線沿線』(ぶんしん出版)の終盤では「山口瞳の国立」と題するコラムも載っている。われわれの高校も国立市にあったのである。
by suiryutei
| 2026-05-12 08:37
| 酒・蕎麦・食関係
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