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一週間ほども前だろうか。NHKAM〔ラジオ深夜便〕の午前2時台くらいの時間帯で美空ひばりの特集をやっていたのを聴いた。 そんな真夜中の放送であるから、リアルタイムではなく、その日か翌日の昼間に<聴き逃がし配信>を利用して聴いたのである。普段あまり聴かないけれども、美空ひばりの歌っていいなと、改めて思った。 1時間弱の特集時間の中ほどに『日和下駄』という歌もかかった。語彙の詰まった歌詞で、歌うのが難しい、というような解説をアナウンサーがしたように思う。ユーチューブで聴けます。 テンポが速くてジャズのようであるのに『日和下駄』なんて和風のタイトルなのも面白い。じつは前に何度か聴いている歌だが、それが『日和下駄』というタイトルであることは今回初めて知った。 初めて知ったといえば、日和下駄とはどういうものかということもだ。酔流亭はてっきり、それを歯の高い下駄のことだとばかり思い込んでいた。 ところが、逆なんですね。ネットでAIが教えを垂れるところによれば、晴れた日に履く、歯の短い下駄のことだという。たしかに、日和=晴れであるから、水たまりを踏むこともない。論理的に考えれば、下駄の歯は短くてよいことになる。 永井荷風の随筆に『日和下駄』と題する作品がある。その冒頭の一行はこうである。 「人並外れて丈が高い上にわたしはいつも日和下駄をはき蝙蝠傘を持って歩く。」 「丈が高い上に」と書いて「いつも日和下駄をはき」と続けるのだから、ノッポの上にさらに歯の高い下駄も履くんだな、とふつう考えるじゃないですか。日和下駄に対する酔流亭の誤解の原因は荷風散人の格調高い書き出しにあったようだ。 下の写真は岩波文庫『荷風随筆集』上下2冊のうち1冊目の目次に続くページ。挿絵の人物(明らかに永井荷風)が履いている下駄だって、ほら、やたら歯が高いじゃないの。 美空ひばりの歌に話を戻すと、彼女の『日和下駄』が世に出たのは1954年だという。1879年生まれの荷風が没したのは1959年だから、晩年の荷風はおそらくひばりの歌を聴いているはず。どんな感想を持ったろうか。 梅雨どきになると荷風を読みたくなる。『つゆのあとさき』なんて題の作品もあるせいか。
by suiryutei
| 2026-06-27 08:55
| 音楽
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Comments(2)
日和下駄、私も歯の高い下駄をイメージしました😅。。深い!ですね。勉強になりました〜(^^)
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hibiscusさん、コメントありがとうございます。深夜のラジオってなかなか面白いですね。
今日は二つの台風に挟まれて、これから大荒れになりそうです。
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