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このあいだの日曜だから先月28日のことである。 夕食の時刻となったので食卓に着き、なんとなくTVを点けるとNHKBSで『釣りびと万歳』という番組が始まるところであった(午後5時半~)。 場所は沖縄県の今帰仁村で、この回のゲスト出演者(釣りびと)は俳優の尾野真千子である。 この人は現在、東京と沖縄とで二拠点生活をしているそうだ。芸能の仕事があるときは東京、普段の生活は沖縄の今帰仁村で、ということなのだろう。 偶然つけたTV番組であるけれども、わが家は尾野真千子さんのファンである。彼女の出世作となった『カーネーション』(2012年度後期のNHK朝ドラ)より早く、2009年のTVドラマ『火の魚』のときから注目していた。 さて釣りびととしての彼女が番組で挑んだのはアカジンミーバイという巨魚であった。本州などではハタと呼ばれている魚を沖縄ではミーバイと言う。アカジンミーバイとは、そのミーバイの代表的なものだという。 ミーバイという魚名に酔流亭が憶えがあるのは、目取真俊の小説『神ウナギ』にそれが登場する一行があるからだ。 「・・仕掛けは大型のアーラミーバイでも釣れるもので、竿は使わずにテグスをコカ・コーラの瓶に巻いただけだった。」(影書房刊 目取真俊『魂魄の道』 所収「神ウナギ」110ページ)。 首都圏の自動車工場で出稼ぎをしていた主人公が、久しぶりに郷里の沖縄に帰って、湧き水の池でもしかしたらまだ棲息しているかもしれない大ウナギを釣ろうとする場面である。 そういえば目取真俊氏が生まれたのは今帰仁村なのであった。『釣りびと万歳』で尾野真千子さんが乗った釣り船は今帰仁村の運天港から出帆していたが、目取真作品には運天港を舞台にした『露』という短編もある。港での荷揚げ仕事のあと労働者たちの酒盛りが始まり、沖縄戦の体験や、出征先の中国大陸での日本軍の非道な行為が語られていく。作者は若いころ運天港で荷揚げのアルバイトをしていたことがあり、そのときの体験が題材になっているようだ。 酔流亭は二年前、目取真俊氏の短編いくつかをテキストにした読書会で報告をしたことがある。そのときのことは下の過去記事に。 目取真俊氏は先月3日、沖縄県警によって「器物損壊」で在宅起訴され、自宅を捜査されてパソコンやスマホを押収された。去年10月から今年5月にかけ、米軍キャンプシュワブのフェンスなどを壊したというのである。しかし、現場を知る人によれば、老朽化していたものに手を触れた程度のことだという。芥川賞作家の発信力を恐れての不当弾圧である。辺野古沖で3月に起きた船転覆事故(2名が死亡)に乗じた、全体主義国家まがいのやり方だ。 辺野古新基地建設に反対の声を改めて上げて行きたい。 ※目取真俊氏のブログを貼っておきます。
by suiryutei
| 2026-07-02 09:32
| 文学・書評
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