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まだ墓参りの話。土曜日に墓参りをしたとき、多摩墓地に行くまでの電車の中で藤沢周平の短編『たそがれ清兵衛』を読んだ。 山田洋次監督の映画は公開されたときに観た。原作を読むのは初めてだ。また藤沢周平で酔流亭が読んでいるのは『雲、奔る』と『密謀』で、そこに描かれた雲井龍雄も直江兼続も敗者の側に身を置いた人間であることに好感をもったけれど、この二作を読んだだけでは藤沢の愛読者とはいえない。NHKの時代劇などで最近あまりに藤沢周平の原作が使われるので、かえって敬遠してきた気味がある。 小説は映画とはかなり違う。山田監督の映画もあれはあれで見事な作品だと思うが、原作はもっとすらりとしている。そして、そのすらりとした中に夫婦の情愛がこまやかである。 それと感心したのは、事件の背景がきちっと書かれていることだ。幕藩体制も後期に入ると、現在の日本国家と一緒で、どこの藩も財政赤字が深刻化する。そこで、一種の「重商主義」政策をとって財政再建につとめるようになるのだが、その過程で商業資本が藩政に食い込んでくる。清兵衛が「上意打ち」の刺客として斬った家老・堀将監が結託した回漕問屋の能登屋万蔵というのも、そういう商業資本だろう。「大塚史学」で言うところの「前期的資本」というやつだ。それは成長期の産業資本のように封建制に対して革命性を発揮するのではなく、逆に封建制と癒着して農民や下級士族を収奪する。藩からの俸給だけでは食っていけずに内職に精出す清兵衛ら下級武士は、すでにして搾取される半プロレタリアである。 昨日の日記ですこし触れた服部之総が、もし長生きして藤沢周平の時代小説を目にしたら、その史眼の確かさに感心したかもしれない(服部は1955年没)。一昨日(24日)の『朝日歌壇』(高野公彦・選)に、こんな短歌が採歌されていた(福井市 観 正一 作)。なるほどな、と思った。 読まねばなと思う書物さしおきて虫の鳴く夜藤沢周平 ところで、今日これから旅に出ます。明日の日記は休みます。
by suiryutei
| 2005-10-26 07:10
| 文学・書評
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Comments(8)
たそがれ清兵衛は、原作とは違うものになっていましたね。そうなってしまうのは、仕方が無いのかも知れませんが、あれはあれで楽しみ方があって。やはり、田中眠さん。最後の決闘シーンでは、もう信じられないくらいの体の動きでしたね。あの映画は、田中さんの踊りを見るだけで、
60%くらいは元が取れたかな、と思いました。藤沢は、書にて画き候ですか。
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suiryutei at 2005-10-30 11:18
こんばんは。
酔流亭さんからも「返歌」をいただき、感激です。 半纏をまとったようなカツオが黒潮に乗って反転してくるんですよね。 初ガツオもうれしいですが、なんと言っても脂の乗った戻りガツオはこたえられません。 ありがとうございました。 ところで、酔流亭さんが『 たそがれ清兵衛 』について書かれている記事を拝見しました。 清兵衛の渾名となりてたそがれは淋しき翳を脱ぎ捨てにけり 題詠マラソンで3月に詠ったぼくの歌です。 8月に詠った歌をTBさせていただきました。 周平ファンです。 「大塚史学」や服部之総が出てきてびっくりしました。
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suiryutei at 2005-11-17 17:05
謎野さん、コメントおよびトラックバックありがとうございます。ブログを始めてから、こんなふうに世界が広がっていくのがとても嬉しいです。
浅草の[弁天山美家古寿司]の先代親方が、戻りカツオが脂をのせて北から帰ってくるのを「半纏を着て反転してくる」と駄洒落ていたのを思い出し、盗用した次第です。お恥ずかしい。この先代は久保田万太郎に可愛がられた洒脱な人ですが、まだお元気かな。 周平ファンには魅力的な方が多いようです。拙ブログとリンクしている「カマトト日記」も素敵なサイトですよ。
酔流亭さん、こんばんは。
本日のお申し越しの件、むしろ光栄です。 ド素人の歌ですが、もしお役に立てるのであればどうぞお使いください。 その際、このブログ名とアドレスを添えていただければと思いますので、よろしくお願い致します。 「カマトト日記」、周平さんの記事などを拝見しました。 ゆっくりお訪ねしてみます。 ありがとうございました。
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suiryutei at 2005-11-21 22:00
謎野さん、勝手なお願いを快諾してくださり、ありがとうございます。
郵便局で働いている仲間が作っている交流誌のようなものです。出来上がったら、文章のコピーを送ります。 「カマトト日記」は本当に素敵なブログで、拙ブログの常連コメンター(?)もみんなファンになってしまいました。
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sakuraasako at 2005-11-22 19:48
あのぉ・・・、「カマトト日記」のsakuraasakoです。
す、すみません。 私のブログについて謎野さんと酔流亭さんがやり取りしてくださっているのをみて、びっくりしています。心苦しいばかりです。
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suiryutei at 2005-11-23 07:47
sakuraasakoさん、無断で紹介してしまって、ごめんなさい。謎野さんが藤沢周平のことを書いているのを読んで嬉しくなって、つい・・・。
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