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昨日の日曜日、TVの政治討論番組は、例の竹島問題で持ちきりであった。 領土問題は人を興奮させるらしく、やたら熱くなっている評論家がいる。この人たちの決めゼリフは、「国家にとって領土は石ころひとつといえど、ゆるがせにできない」。なぜそうなのかは説明する必要も無いわかりきったことであるらしい。 しかしながら、酔流亭にはわからないのである。石っころひとつが何故そんなに大切なのかが。その石っころ一つをめぐって戦争になり人命が失われるような事態になったとしたら、その失われる人命のほうが石よりもよっぽど大切なのではないか。 もちろん、石っころ一つというのはモノのたとえなのであろう。その言葉が意味するのは、おそらくこういうことだ。どんな辺境地帯であろうと、そこにその国の民が暮らしているのならば、国家はその国民の生命財産を全力で守る義務があると。初めてこの言葉を言った人がどういう意味で使ったかは知らないけれど、そう解釈するほうが前向きであると酔流亭は考える。 その観点から見たとき、現在の竹島をめぐる騒ぎは相当おかしなものである。 たとえば沖縄だ。一昨年8月13日、沖縄国際大学に米軍大型ヘリが墜落、炎上するという事故があった。そのとき、米海兵隊がとった処置はひどいものであった。大学関係者だけでなく、沖縄県警まで事故現場から締め出したのである。「まるで治外法権」(当時の新聞記事)。 れっきとした日本の領土であるところの沖縄で、国民の生命財産が脅かされたのだ。しかも、これだけではなく、駐留する外国軍によって沖縄の人々が普段からどのくらい危険にさらされているか、改めて言うまでもない。 こういう状態を黙認している本土の国民や政府が、竹島の問題では「石ころ一つたりともゆずれない」などと熱くなるのは、滑稽であろう。領土のことでナショナリズムを燃やすなら、先にまずやることがあるのである。 さて、韓国の大統領のやり方も、酔流亭は感心しない。この国も、自国民にナショナリスムを煽るのはやめたほうがよい。それに、国際法に照らして領有権を争ったとして、韓国に分があるようにも思えない。 もっとも、国際法上の領有権と言ったって、要するに「どっちが先にツバをつけたか」というだけの話だ。まことにつまらないことである。つまらないけれど、竹島のように元々人が住んでいなかった島(というより岩礁)をめぐって領有権を争うとしたら、そういうつまらないことでも判断基準にするほかない。 だから、そんなつまらないことはやめて、両国による共同管理にすればいいのだ。サッカーのワールドカップを共催できたのだから、これくらいのこと、できないはずがない。 ・・・とは言うものの、仮に日本がその方針をとったとしても、現状では韓国は納得しないだろう。日本が行ってきた植民地支配に対して、韓国の人々は深い被害者意識と怒りを持っているからである。そして、実際、植民地として支配して酷いことを日本はやったのだから、韓国の人々がそれを忘れないのは当然なのだ。 結局、問題はここでも日本が歴史とどう向き合うか、ということにかかってくる。個別の竹島問題は歴史認識とは一応別のことだ。あの島はなにも侵略戦争で奪い取ったものではないのだから。しかし、この問題で韓国と前向きに話し合うためにも、韓国の人たちが持っている被害者意識をときほぐす誠実な姿勢が日本には必要なのだ。 結論。 1.竹島は日韓で共同管理すべし(日本が領有権にこだわることもないし、韓国の主張に同意する必要もない)。 2.過去の戦争および植民地支配に対する誠実な反省をふまえてアジアの国々との友好関係につとめる。もちろん靖国参拝なんか、やってはならない。
by suiryutei
| 2006-04-24 17:07
| ニュース・評論
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Comments(4)
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saheizi-inokori at 2006-04-25 12:01
沖縄の話も納得いきませんね。
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suiryutei at 2006-04-25 17:11
佐平次さん、こんにちは。
米海兵隊8000人を沖縄からグアムに移転させる費用のうち59%、約7000億円を日本が負担することに決まったようですね。 日本の領土上でのアメリカ軍の行動には手を出せないのに、アメリカ領土上の米軍基地の費用は二つ返事で日本も負担する。おかしなことですね。
沖縄の話、ちょっと前の話なのに、でもちゃんと見てくれている人がいるんだってとても嬉しくなりました。
私も小さな新聞の記事にいつも悲しくなるのです。記事は小さくとも起こっていることは大きなことなのですもの。なのにメディアの追いかけは非常にいつも偏っています。 私の祖父は、米軍の飛行機の大きな騒音に頭がおかしくなってしまいました。(母は沖縄の生まれです) 祖父は90歳近い年で亡くなったその原因に、この騒音がありました。 沖縄はずっと本土の犠牲にある。そして沖縄は沖縄ではなくなっている。 沖縄だけではありません。国家の犠牲になるのは、いつも小さな力。 竹島もしかり。三里塚もしかり。国家の口実に巻き込まれた、その下には 何が存在するのか、国は全くわかっていないのです。 情けないですよね、腹が立ちますよね。 歴史教育には、哲学が必須です。また、哲学には歴史認識が必要です。 酔流亭さんのようなお考えの方がたくさん増えればよいのに、と 思わずにはいられません。 竹島よりなにより、もっと大きな問題はごろごろと転がっているのですから。
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suiryutei at 2006-04-26 10:08
あっきさん、おはようございます。コメントありがとうございます。
お母上は沖縄のご出身なのですか。私が就職したばかりのとき、一番親切にしてくれた先輩は沖縄の出身でした。その人は、もうだいぶ前に転勤で沖縄に帰ったのですが、今でもたまに泡盛を贈ってくれたりします。 この前の戦争のとき、沖縄に凄惨な地上戦を強い、多くの島民を犠牲にすることで本土は生き残りました。そして現在も、べらぼうな米軍基地を沖縄に残し、沖縄の人々を犠牲にした上で、本土は“繁栄”を謳歌しています。 そして、沖縄を踏みつけてきたことを私たちは忘れている。たまに沖縄を訪れたときの小泉総理のあの素っ気無さ、それに彼の兄貴分である森前総理の暴言・・・何年か前の紅白歌合戦のフィナーレで、沖縄出身の安室奈美恵さんが「君が代」を大きな声で歌わないのは「沖縄ではアカ教育をやっているからだ」と彼はイチャモンをつけたのです。 本当に腹が立ちます。 ゴマメの歯軋りのような小さなブログですが、ちゃんと読んでくださって、私のほうこそ嬉しいです。
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