新人事制度 大阪での報告①~③
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![]() 権力というものの正体を見せつけられるからだ。 26歳の青年が、身に覚えがないのに、満員電車の中で痴漢と間違えられる。実際やっていないんだから話せばわかってもらえると駅員室に行ったが最後、もう周囲から犯人だと決めてかかられてしまう。警察が来る。抗弁すればするほど「反省が無い」と憎まれ、拘留はついに三ヶ月に及ぶ。青年にとっては、白昼の悪夢である。 「罪を憎んで人を憎まず」という言葉がある。しかし、取調べにあたる警察官や検事にとっては、憎いのは痴漢という犯罪行為ではない。容疑者が無実を主張したことが「反抗的だ」として許せないのだ。 それにしても、拘留というかたちで社会から突然切り離され、その道のプロであるところの検事や警官から連日責め立てられれば、しかも認めてさえしまえば行為自体は微罪ですむと言われれば、事実はやっていなくとも否認を貫くことは相当に強い意志が必要だろう。痴漢に限らず、冤罪はこうして作られていくのだなと思う。 脚本はよく練れている。当番弁護士制度が必ずしも充分に機能していないこと。企業の代言人みたいな“ビジネス弁護士”の跋扈。あるいは、弁護士が横から質問しても、答えは正面の裁判官に向いてしなければならないといったような、まるで封建時代の“お白洲での裁き”のような法廷・・・。ストーリーの進行につれ法曹界の問題点が浮かんでくるあたりは、大岡昇平の小説『事件』をちょっと思い出した。 周防正行監督は勇気があると思う。小林多喜二が死にいたる拷問を受けたのは『1928年3月15日』という小説を書いて、「三・一五事件」で検挙された労働者への過酷な取調べを暴いたからである。それが刑事たちの怒りを買って「あの小説に書かれてあるとおりに責めてやれ」となった。 治安維持法の下での戦前と今日は違うから、まさか周防監督が多喜二みたいな目に遭うことはないと思うが、それでも法の具体的執行者から恨みを買うのはいつの時代でも危険なことである。 その勇気に喝采を贈ろう。 ■
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by suiryutei
| 2007-02-11 20:51
| 映画・TV
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Comments(6)
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殆どの国民は法廷とは縁がないと思っている。
でも今司法は酷いことになっているようです。人質司法。 私はたった一晩ですが留置場に入ったことがあります。 普段「権利を守る」とか「ウソの自供はするはずがない」なんて考えていたことがとんでもなく甘ったるいということが分かりました。 反戦も護憲も司法をちゃんとしないと守り抜けないと思います。
佐平次さん、おはようございます。
自分があの主人公の青年と同じ目に遭ったとしたら、どこまで頑張れるか不安に思いました。身に覚えが無いことは突然ふりかかってくるから、心の準備もしておきようがないし。 こんどオフ会でお会いするとき、その晩の佐平次さんの体験を聞かせてください。
酔流亭さん、ご無沙汰してます。
しばらくこちらにお邪魔していなかったんですけど、 同じ映画を二本も見ていたのがわかって、 うれしくなって出てきてしまいました! この映画、先日私も観ました。 日本にもこういう映画を作れる人がいるんだと思ったら、 あの!周防監督じゃありませんか!意外でした。 でも、彼もプロデューサーも、この映画のために、 とても長い時間をかけたようですね。すごいなぁ~。 国家権力に立ち向かうような勇気が、 私にあるとは思えないけど、小さいことからひとつひとつ 自分が正しいと思うことを主張することは忘れたくないです。
園長さん、こんにちは。
こちらこそご無沙汰をしております。佐平次さんや風屋さんのところで時折拝見していましたが。 この映画、観終わってからの後味はいいものではないですが、それが観る者をして現実と向き合わせることになっているように思いました。 そうそう、これは観た後で知ったのですが、知人がエキストラで出演しています。再現ビデオを撮影するときの乗客の一人になっていたそうです。
まあ、そうなんですか?
こんなイイ映画ならエキストラする甲斐があります。 長野でも今「銀色のシーズン」のエキストラを募集中らしい。 ミーハーな私は瑛太に会えるかも!という下心ありありで 子ども達を誘ってみましたが、反応薄くてだめでしたぁ~。 転校生もエキストラ募集していましたが、中学生。 私じゃだめかしらぁ~?と言ってみましたがいいわけないですね。
園長さん、こんばんは。
その知人は、もうだいぶ年配の方(もと学校の先生)で、撮影は順調だったそうです。どういう縁で出演したのかは聞いたと思うのですが、忘れてしまった。 ところで園長さんは『ドリームガールズ』もご覧になったんですね。妻が先日観に行って、「よかったよう」と申しておりました。
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