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■2004/09/22 (水) 17:15:33 酒田の[ル・ポットフー] 丸谷才一『食通知ったかぶり』(文芸春秋社)に「裏日本随一のフランス料理」と題する一編がある。 「何かの会で開高健さんといっしょになったとき、この声の大きな男が普段よりももっと殷々と鳴り響く声で、 『すばらしいフランス料理店を見つけた、酒田で』 と言ったのには驚いた。 『酒田って、山形県の酒田かい?』 と思わず問い返したのは、彼ほどの食通を満足させるフランス料理店があの町にあるはずはない、と反射的に考へたからである。 ・・・あの町にはフランス料理の料理人はおろか、お客だっているはずは ない・・・」 丸谷さんはあのあたりのご出身なので、わざと裏日本という表現を使ったり、自虐的(?)な書き方をされているのだが、20年ほど前にこの文章を酔流亭が目にしたとき、それは遠い世界の話であった。フランス料理店なんか東京でだって足を向けたことがない。酒田にフランス料理を食べる客がいようといまいが、こっちの知ったことか。 ところが、つぎに山口瞳『酔いどれ紀行』(新潮社)の「酒田、鶴岡、冬支度」という一章。このフランス料理店を訪れた山口に店の常務氏がこう語る。 「『うちのコックがね、ル・ポットフーの料理は年々退歩していると言うんです。それは、朝、私が市場に行くでしょう。そうすると、材料に惚れちまうんです。新鮮なものを新鮮なままに、材料そのものの味をひきだそうとするでしょう。そうなるとフランス料理から離れていってしまうんす』」。 こういうフランス料理なら酔流亭だって食べられるかもしれない。しかも、この店ではワインより酒田の地酒である「初孫」で料理を食べることを薦めているという。 かくて酔流亭は旅の最後の晩、勇を鼓して、そのフランス料理店[ル・ポットフー]に女房をエスコートした。酔流亭は丸谷さんの『文章読本』に文章の書き方を教えられ、山口さんの『酒呑みの自己弁護』で酒の飲み方の手ほどきを受けたと勝手に思い込んでいる者である(その割には文章力も酒量もたいしたことないねと笑われそうだが、不肖の弟子だと考えてください)。酒田まで来て、この両先生が推奨する店を素通りしたのでは義理が立たない。 そして料理も初孫も店の人の応対も素晴らしかった。ここまで書いて千字いっぱい。あとはお店のサイトをどうぞ。 http://www.inetshonai.or.jp/~potaufeu/index2.html
by suiryutei
| 2004-09-22 23:11
| 旅行
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