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昨夜は、殊勝にも普段よりすこし早く家を出た。昨日の日記に書いたように、天気は夜にまだもう一荒れあるんじゃないかと思ったからである。通勤に利用している京葉線はことに風に弱い。ダイヤに乱れが出ているようなら、途中から地下鉄で迂回するつもりだった。 地元の駅では改札口の横にホワイトボードが置かれていた。文字が消された跡がある。昼間はここに列車の運休情報があれこれ書き込まれていたのだろう。もう、何も書かれていない。 東京駅まで行くと、京葉線のホームはがらんとしていた。沿線にディズニーランドがあるから、いつもの日曜なら、行楽帰りの人でごったがえしている時間帯である。京葉線は日中は本数を減らしての運行だったが、この時間にはほぼ平常に戻っていた。 いささか拍子抜けしたのだけれど、台風はその時間(夜8時過ぎ)には足早に関東から遠ざかりつつあったのだ。偏西風に乗ってしまうと移動スピードが上がる。擬人化すれば、九州や四国でさんざ暴れて力を使いきったので、東日本はもういいやといった感じで通り過ぎていったようだ。 風は終夜かなり吹いた。郵便トラックから降ろされたパレットを押したり引いたりの作業をする身には、その風がむしろ心地よい。 朝4時をまわった頃だ。東から夜が明け始める。その明け始めたばかりの空の色が素晴らしい。エメラルドグリーンというのは、海の美しさを色にたとえるとき使われる言葉だろうが、まさにそんな色。そして時間とともにそのグリーンが薄れていって、いつもの空の色になっていく。 続いて太陽が昇りだすと、日光を受けた雲が金色に輝きだす。 このわずかな時間のあいだの空の変化に見とれてしまった。こんな空は台風一過の夜明けのときだけだろう。一晩寝ずに働いたことへの褒美を貰ったような気がした。 午前11時に帰宅。TVを付けるや、大きな家が崩壊している画面だ。新潟で大きな地震。新潟では3年前の秋にも地震があったばかりではないか。被害が大きくないことを祈るばかりである。あの年も台風が多かったのを思い出す。
by suiryutei
| 2007-07-16 18:08
| 身辺雑記・自然
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Comments(6)
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Fou
at 2007-07-16 20:07
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Bravo!
スイリュウ亭さんは詩人ね。 リアリティに迫る外界とあなたの心情の描写を読んで、私も一緒に明ける空を見ている思いです。
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「もぬけの殻」の愚ブログへの地震お見舞いありがとうございました。中越地震の傷がようやく癒えてきたのにまた大きな地震が新潟県を襲った。先回も今回も、私は外にいたので、揺れの大きさがあまり実感できなかったのですが、家に帰ったら家族が大騒ぎしているので、この時初めて大きな地震と分かったような次第で、屋外での揺れはさほど恐怖心も感じないものです。当地区は被害も少なく、ホッとしております。原発の火事にはドキッとしましたがたいしたこともなかったようです。
酔流亭さん、こんばんは。
小生が埼玉から山口に住まいを移して一番怖いのが、実は台風。 拙ブログでも、何故「怖い」のか…記事にしています。 3年前の18号と2年前の14号が大暴れ…今回は、それに比較したらどうって事はなかったのですが…。 3年前の18号で被災して1ヵ月半で襲った新潟の地震…再びとは…。 心より、被災された方へお見舞い申し上げたい心境です。
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suiryutei at 2007-07-17 08:57
Fouさん、詩人なんて、お恥ずかしい。
でも、朝の空っていいですね。夕焼けも好きですが。
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suiryutei at 2007-07-17 09:00
umeさん、ご無事でなによりです。
それにしても、また新潟・・・と思ってしまいます。新潟地方だけでもすぐに梅雨が明けて、これ以上地盤が緩んだりしないよう、願うばかりです。今日も雨のようですが。
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suiryutei at 2007-07-17 09:08
Danchoさん、おはようございます。
西のほうにお住いの方は、本当に台風の脅威は東と比べ物にならないでしょうね。3年前の秋の台風のときは、懇意にしている飛騨の旅館が洪水に遭って、翌年の夏まで休業を余儀なくされました。 それにしても、この天災列島の、それも地震の多い日本海側に、こんなに原発を作ってどうするんだとも思います。
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