新人事制度 大阪での報告①~③
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14日、出勤してロッカーで着替え、作業棟に向かう途中の廊下で、以前一緒に働いていて現在は隣りの課に勤務している人とすれ違った。お互いに目礼し、2~3歩行過ぎてから、その人が引き返してきて「ああ、Yさんが死んだよ! 昨日。心筋梗塞だって」。 驚いた。Yさんは酔流亭と同じ課の同僚である。まだ57歳だ。 職場に着いて、この日の勤務分担表をみると、いつもの分担のところにYさんの名前が書かれたまま、その下に「欠」と鉛筆で記されていた。 いま驚いたと書いたけれど、Yさんの身にもしものことが起きるのではないかという思いが頭をかすめたことはあるのである。「深夜勤」が導入された三年前の春、職場の状況のレポートを小さな新聞に寄稿したことがある。そこにこんな記述がある。 茨城県から通っている人が同じ課にいる。彼は通勤時間が片道3時間以上。前述の勤務(夜7時始業・翌朝6時終業の勤務のくり返し)だと家に帰るのは朝10時に近く、午後は3時を過ぎたらまた出勤の仕度をしなければならない。家にいられる時間より通勤に要する時間のほうが長い。・・・・50を過ぎた身体で、こんなことがいったいいつまで続けられるだろうか。導入1ヵ月にして東京中郵では在職死亡が出た。このままでは「団塊の世代」のかなりが定年を待たずして退職に追い込まれていくと思う。この「茨城県から通っている人」というのは、Yさんのことなのだ。 深夜勤が導入されてから二年間はYさんはこの勤務に耐えた。しかし去年の春おこなわれた健康診断で不整脈が発見され、泊まり勤務を続けることに医師からストップがかかった。以来、昼間だけの勤務になったが、心臓がひどく弱まってしまったらしい。長い通勤時間をかけて職場に来るだけでも難儀という状態が続いていたようだ。我々の職場は作業棟の一番奥にあり、ロッカー室からかなりの距離がある。そのあいだを歩くのも辛そうで、同時刻に勤務を終えても、他の人が洗面や着替えを終えて帰る頃やっとロッカーに辿り着くという毎日だった。酔流亭には、同じ分担に就いたときに「まあ、ノンビリやりましょう」と話しかけるくらいのことしかできなかった。 Yさんが亡くなった日は、酔流亭は以前いた職場の同僚たちと房総に一泊旅行に出ていた。車に同乗している中に、現在も一緒の課で働いているTさんもいた。「この頃のYさんは痛々しくて見ていられない」。そんなことをTさんと話していたころ、Yさんは、もうこの世の人ではなかったのだ。 今夜(14日)が通夜、明日の昼に告別式だという。酔流亭は今夜から深夜勤に入るから、どちらへも参列することかなわない。 彼を死へと追いやったものへの怒りを覚えつつ、Yさんのご冥福を祈る。 ・・・・・・・・・・・ 『思想運動』紙2004年3月15日号に寄稿した記事を以下にコピーします。上の日記にある「職場の状況のレポート」とは、これです。 不眠不休が日常化していく郵政現場 二月から導入された深夜勤では、やはり連続勤務の二日目以降がつらい。 たとえば夜7時始業・翌朝6時終業の勤務の場合。私なら勤務のあと局で入浴して帰宅するのが朝8時半すぎ。新聞を読みながら少し酒を飲み、朝・昼兼用の食事をとって正午には寝床に入るが、夕方5時前にはまた家を出なければいけないので4時半に起きる。横になれるのは4時間強だ。しかも、いかに前夜不眠とはいえ陽のいちばん高い時間にそうそううまく寝入れるとはかぎらない。眠りそこねて出勤時間をむかえれば不眠のまま二日続けて不眠の労働になる。 茨城県から通っている人が同じ課にいる。彼は通勤時間が片道3時間以上。前述の勤務だと家に帰るのは朝10時に近く、午後は3時を過ぎたらまた出勤の仕度をしなければならない。家にいられる時間より通勤に要する時間のほうが長い。だから遠距離通勤者の中には帰宅せずに都内のサウナなどで仮眠して局に戻る人もいるようだ。 50を過ぎた身体で、こんなことがいったいいつまで続けられるだろうか。導入1ヵ月にして東京中郵では在職死亡が出た。このままでは「団塊の世代」のかなりが定年を待たずして退職に追い込まれていくと思う。 こうした直接の労働条件悪化とともに、職場の雰囲気にも変化が生じてきている。これまでは全逓中央の方針がどうあれ、現場段階ではかつての“権利の全逓”の遺産はなお残り、仲間同士がかばいあう気風が生きてきた。これが解体してきている。怒りや不満を当局にぶつける道が封じられれば、行き場を失ったそれは勢い職場の中の弱い立場に向かうようになる。動きの遅い者や病弱者が目の敵にされ詰められる場面が最近はみられるようになってきた。本務者は非常勤者に対して管理者のごとく振る舞い、非常勤者の不満はネットの「2ちゃんねる」などに爆発する。 なんとも気が滅入るような職場の状況ではある。反撃する手立ては無いものだろうか。分会体制など労働組合の従来の職場組織が動かなくなっている中で、私たち自身の横のつながりを作り出していくことが急がれねばならないだろう。たとえばインターネットなど、もっと活用されてもよいのではないだろうか。 120年前に蜂起した秩父の農民たちは、蜂起に先立って、山あいの集落をむすぶネットワークを自らの足で作り上げていた。それを思えば私たちの手にはいろいろな手段があるはずだが。
by suiryutei
| 2007-11-14 13:18
| ニュース・評論
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Comments(4)
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Fou
at 2007-11-14 23:31
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亡きYさんのご冥福をお祈りさせてください。
この方の記事は以前にここで読んで、郵便局現場の厳しい労働環境・条件などを知らせていただきながら、この方の健康を憂慮しておりました。
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saheizi-inokori at 2007-11-15 07:54
無念の死だったことでしょう。
郵政の労務管理は郵政だけのことではないのかもしれません。 ご冥福を祈ります。遺族の方に郵政は何をしてくれるのか。 かつて私は部下が癌で若死にしたときに遺族のために募金を呼びかけました。 一人のためにそんなことをして前例になったら困るだろう、と多くの人からいさめられましたが、「前例になったらもっといい」といって2000万円を超える基金を集めました。郵政の上司にそれを望みたい。
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suiryutei at 2007-11-15 17:58
Fouさん、こんばんは。
お言葉ありがとうございます。今年の7月にも、49歳の非常勤職員が、泊まり勤務が終わったばかりのロッカー室で倒れて亡くなっています。二人とも、深夜勤に「殺された」という思いがします。
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suiryutei at 2007-11-15 18:02
佐平次さん、こんばんは。
無念だったろうし、ここ数年は心身ともに本当に辛かったろうと思います。 「前例になったらもっといい」。佐平次さんらしい台詞ですね。そういう人が多ければ世の中も変わるのでしょうが。 私たちで何ができるか、友人たちと考えます。
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