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人気アイドルグループだったキャンディーズが解散して、早いもので、もう30年たったという。昨夜、解散公演を30年前にやった、同じ旧後楽園球場で当時のファンたちが集う「大同窓会」が開かれたそうだ。もちろん、キャンディーズご当人たちは現れない。しかし、ファン約2000人(今朝のTVワイドショーが報じるところによれば平均年齢50歳!)が解散公演の実写フィルムを前に、おおいに盛り上がったらしい。 昨日(4日)の朝日新聞『天声人語』は、これを話題にしていた。「70年代に青春が重なる方なら、耳目にキャンディーズを呼び出せるかもしれない」と。 『天声人語』の筆者が上京の春は『年下の男の子』が、下宿を移った二年後は『やさしい悪魔』がヒットしていたらしい。とすると、現『天声人語』氏は酔流亭とほぼ同世代のようだ。そしてランちゃん(伊藤蘭さん)53歳、ミキちゃん(藤村美樹さん)52歳、スーちゃん(田中好子さん)51歳だから、いま53歳の酔流亭、まったくの同世代です。 三人の中では酔流亭はスーちゃんが気に入っていたが、彼女はそのご女優として成功した。TVドラマ『ちゅらさん』での母親役はなかなかよかったし、井伏鱒二原作・今村昇平監督の映画『黒い雨』のヒロイン役は忘れがたい。ランちゃんも芸能界で活躍中、ミキちゃんは家庭の人だという。 彼女たちの人気がブレークしたのは、『年下の男の子』からだったろう。当時、酔流亭は大学二年の終わりの春であった。成人式(欠席したけど)を迎えた春である。 その頃、四月からの授業料値上げが発表されて、それに反対する学部ストライキに入った。授業が行われなくなったキャンパスに、それでも毎日通って、級友たちと駄弁ったり「大学当局糾弾!」のビラを刷ったりしていた。そんな或る日、級友のひとりが突然「オイ、『年下の男の子』っていう歌、あれいいな」と言い出したのである。こいつ、年上のガールフレンドでも出来たときだったろうか。 授業料の値上げは撤回されることはなかった。いっぽう、酔流亭の父親はその春、心臓に発作を起こして倒れ、家の商売を続けられなくなった。酔流亭は新年度の学費を未納のまま大学を中退、秋には郵便局で働きだした。 キャンディーズはそれから三年間ほどトップアイドルとして活躍して解散した。授業料値上げ反対ストを一緒に闘った級友の中には40代で急死してしまった男もいる。30年間、はやいものだ。
by suiryutei
| 2008-04-05 18:57
| 音楽
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Comments(3)
はやり歌と、その当時の自分の生活がラップして思い出されることがよくあります。私はちょっと上の世代ですが、そうか、もう三十年経ったのか。今は不本意な状態ですが、「もうじき春ですね」を口ずさみながら、甘酸っぱい気分になりました。久しぶりに記事を書きました。
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suiryutei at 2008-04-06 17:46
umeさん、こんばんは。
そろそろumeさんの顔が見たい(文章が読みたい)とおもっていた矢先です。コメントありがとうございます。 キャンディーズは今ごろの季節の歌が多いような気がします。「春一番」とか・・・などとおもっているうちに、今日の関東は初夏に近いような温かさ(暑さか)になりました。季節は、動くときははやいですね。
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suiryutei at 2008-04-09 07:50
風屋さん、おはようございます。
トラックバックありがとうございます。うっかり見落としていました。お礼が遅くなって、申し訳ない。
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