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新人事制度 大阪での報告①~③
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月に一度、朝日の朝刊に載る丸谷才一さんのエッセイが面白い。『袖のボタン』というタイトルだ。すこし前になるが(もう3週間くらい前かしら)、今月は「『野火』を読み返す」として、あの大岡昇平の名作について書いていた。 ずっと前に読んだ丸谷さんの『文章読本』のことを思い出した。この本は古今の名文が豊富に引用されていることでも評判なのだが、ことに石川淳・大岡昇平・吉行淳之介の3人については、印税を分けたらどうかと冗談に言われたらしい。石川淳への丸谷さんの深い敬慕はよく知られているところ。吉行淳之介は『戦中少数派の発言』がほぼ全文引かれている(第8章「イメージと論理」)。そして大岡昇平の『野火』は第9章「文体とレトリック」において一章まるまるを使って精緻な分析が試みられた。 『文章読本』は読んだり書いたりすることが好きな人以外にはあまり縁の無さそうなジャンルの本だろうが、第4章「達意といふこと」という章だけは多くの人に読んでほしいという気がする。これは明治憲法と現憲法とを比較した文章論である。小説家が自分のフィールドでやってみせた見事な護憲論と言ってもよい。 いや護憲論なんて言葉を使うとなんだか月並みになってしまうけれども、二つの憲法の文体の話から林達夫の『旅順陥落』を経て幸徳秋水の『兆民先生』にゆく、その文章選択の趣味の良さに酔流亭はほとほと舌を巻く。 『袖のボタン』がつぎに掲載されるのは5月3日だそうだ。あ、憲法記念日じゃないか。 #
by suiryutei
| 2005-04-27 18:38
| 文学・書評
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大変な事故が起きた。尼崎のJR電車脱線は、死者は50人を超え、負傷者4百数十人。TVの映像で視ると、2両目の車両は板チョコを包む銀紙みたいにひしゃげている。どれほどの恐ろしい力が加えられたのだろう。マンション1階に突っ込んで外からは見えない先頭車両に乗っていた人たちのことを思うと胸が苦しくなる。 まだ救出作業が続いているのだから、匿名の日記でいい加減なことを書くのは控えなければいけない。しかし毎日JRで長距離通勤している酔流亭にも他人事ではない。げんに、いつも通過している常磐線三河島駅でも以前、大事故が起きている。通勤電車に乗っていると、たとえば我孫子駅で定時より4分くらい遅れていた電車が、終点の上野駅にはほぼ定刻に到着するといったことが、時々ある。先を急ぐ乗客のために運転手は必死になって遅れを取り戻してくれたのだろうし、ありがたいことだが、それはこのような危険と隣り合わせの運行なのだろう。 国鉄がJRに変わってから、経営内容は改善されたし、ダイヤも相変わらず正確で、いいことづくめのように言う人がいるけれど、はたしてそうか。従来と同じ、もしくはそれ以上の業務になっているのに人員が減らされているということは、労働現場ではそれだけ負担が増え、無理を強いられているということだ。事故が起きれば新聞もTVも安全の尊重をと主張するけれど、その安全が確保されるだけの要員配置まで求めなければ不可能だろう。一昨日の朝日朝刊の経済面に載った「幸せ大国をめざして」という連載記事に紹介されているアンケートによると、93年と03年を比較して「仕事がつらくてとても疲れる」と答えた人が30代~40代では10数パーセントも増えている。事故の背景にこの現実があるのは間違い無い。 #
by suiryutei
| 2005-04-26 11:59
| ニュース・評論
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一昨日、昨日と泊まり勤務が続いて、今日は明け。午前8時過ぎに帰宅して、朝食を摂りながら軽く飲む。銘柄は「雪の茅舎」。秋田の酒です。そういえば今日、秋田市で桜が開花したとか。一生に一度でいいから、桜前線の北上に沿って沖縄から北海道までゆるゆる旅をしてみたいもの。三ヶ月くらいかかるかしら。そんなこと考えながら飲む朝の酒は悪くない。今日は、もう夜また出勤しなくてもいいのだ。 それからすこし寝て、午後、ちょっと駅前の銀行まで。順番を待っている間に、置いてある『週間文春』をめくってみたら、「ブログストーカーが急増!」なる記事が載っていた。女性が書くブログの日記を丹念に読んで、行きつけの店などから女性の住所に見当をつけて追い回す男がいるんだそうだ。 日記というのは、身辺雑記をついマメに書いてしまうから、とくに女性は気をつけないといけないね。なにしろ清少納言いらい、和朝の女性が書く日記には、世界に冠たる伝統があるから。男の酔流亭には、まさかストーカーはつかないだろうけど、それでもあまり素顔が割れるようなことを書くのは気をつけよっと。 いま女房は外出している。パソコンのワード機能を使ってちょっと文章を作ろうとしたのだが、どうやっていいのか、わからなくなってしまった。あれれ・・・。まったく女房に手取り足取りしてもらわないと何もできない。 #
by suiryutei
| 2005-04-25 17:15
| 身辺雑記・自然
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ツバメが飛んでいるのを今年初めて見たのは、京都でだった。地下鉄の鞍馬口の駅を出て、蕎麦屋の[かね井]に向かって鞍馬通りを歩いていたときである。駅から[かね井]までは歩いて20分近くかかる。京都らしく、軒の低い町家が続く通りだったが、その軒下に巣を作っている最中だったようだ。「西のほうが飛んでくるのが早いんだな」と思った。酔流亭の住む地元でもツバメを見たのは、関西から帰って数日たってからである。だから、今日より10日ほども前だろうか。駅前商店街にある八百屋の軒下に毎年巣を作る。 毎年、ツバメを見ると初夏が来たと思うし、去っていく頃には夏の終わりを感じる。酔流亭は夏が好きだから、したがってツバメは好きな鳥だ。ゴールデン・ウィークが近づいてきたことも、この鳥が気づかせてくれる。 そのゴールデン・ウィークだが、酔流亭の勤務は悲惨なことになっている。5月3日の1日だけが休みで、あとは全て出勤だ。まあ、郵便局に勤めて30年近く、盆・正月・連休に働くのは毎年のことだけれど。それに、日をずらして有休をとったほうが、旅行に行くにも映画館に行くにも、空いていて、むしろ好都合であるが。 今朝、盛岡からの臨時便のトラックが入ったので、「盛岡では桜は咲いた?」と運転手さんに聞いたら、「まんだだ、今年は寒くて」とのことだった。去年の今頃、弘前に行ったら満開だったのだから、去年と比べると桜前線の歩みは遅い。北国の春はこれから。 #
by suiryutei
| 2005-04-24 16:09
| 身辺雑記・自然
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数日前のお昼の民放TVでやっていたのだが、中国でいかに「反日教育」がなされているかということで、「南京虐殺事件」についての日本と中国の歴史教科書の記述を比較していた。日本の教科書では4行しか書かれていないのに、中国の教科書では見開きのページで大きく取り上げられている。まさにこれが「反日教育」だ、と番組司会者は話を持っていきたいふうだった。もっとも、その番組には映画『パッチギ!』を撮った井筒監督などがゲストに出ていて、「日本の帝国主義が何をやったかを日本もちゃんと教えなければいけない」と、まっとうな指摘もしていたけれど。 南京虐殺事件は1937年12月に起きた。15日の夜だけで2万人が殺されたと言われるし、ドイツ人を責任者として南京に作られた国際救済委員会は4万2千人が虐殺されたと推計し、また南京進撃の途上も含めると30万人の中国民衆が殺されたとされている。いずれにしてもたいへんな惨劇である。ところが、日本人がこの事件について語るときは、そういう虐殺行為を日本軍が行ったということより、中国側が言う被害者の数は誇張があるんじゃないかというところにニュアンスが置かれる場合が多い。たった一晩でそんなに殺せるわけがないじゃないか、と・・・。さらに、そもそも南京虐殺なんか無かった。中国のでっち上げだ、「反日宣伝」だと主張する人までいる。 広島・長崎の原爆投下による惨状がどれほどのものであったかを記憶し語り継いでいくことは、核兵器がまた使われることを防ぐ上で絶対に必要なことだろう。ところが、「それは反米運動だ」とアメリカ人が詰り、「たった2発の爆弾で何十万人も死ぬはずがない。日本人は誇大宣伝している」と言い張ったとすれば、我々はどう感じるだろうか。いや、実際そう思い込んでいるアメリカ人はけっこういるらしいが、そういう人間を我々は尊敬したり信頼しようとは思わないだろう。 日本人は同じことを中国人に対してやっているのではないだろうか。 このところ毎週くり返されている中国での「反日デモ」は、半分は官製だと酔流亭も思っている。大使館にモノを投げ込むのを警官が制止もしないのもとんでもない。一番いけないのは料理店の打ちこわしである。そこで働いているのは同じ中国の同胞ではないか。「どんな理由があろうとも」とまでは言わないが、今現在、侵略や虐殺がやられているわけではないのに、あんなことはしないほうがいい。中国の民衆は当局に乗せられて外国にばかり目を向けていないで、自国政府の人権抑圧とも闘ったほうがよいだろう(いずれ近いうちにそうなるだろうが)。ただ、酔流亭は日本人として、中国の内部事情のことより、日本国のありように力点を置いて考えることにする。 昨日、閣僚を含む国会議員が大挙して靖国神社に集団参拝したそうである。また先週の中国での「反日デモ」の直後、中川通産相は中国を「怖い国」と詰った。国と国との仲が険悪になったとき、本来なら「冷静になろう」と呼びかけなければならない立場の人間が、ことさらに憎悪や対立を煽っている。これでは「反日」もまた広がる一方である。 #
by suiryutei
| 2005-04-23 10:42
| ニュース・評論
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