新人事制度 大阪での報告①~③
最新の記事
タグ
労働(124)
辺野古(46) 郵便局(43) 文学(31) コロナウイルス(31) 韓国(19) 朝鮮半島(12) 映画(11) NHK朝ドラ(10) ひよっこ(9) 大西巨人(9) なつぞら(8) 神田まつや(8) 労働者文学(8) 神聖喜劇(7) 関西生コン労組(6) 狭山事件(6) ブレイディみかこ(6) ケン・ローチ(6) 蕪水亭(6) 最新のコメント
記事ランキング
カテゴリ
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 more... ブログジャンル
画像一覧
検索
|
66歳になって、もう三日目である。5日が誕生日であった。 メールで、またフェイスブックを通じて何人もの人がお祝いのコメントを寄せてくださった。改めて、ありがとうございます。 当日は、連れ合いがケーキを取り寄せて祝ってくれた。 バースディ・ディナーは我が家でアンコウ鍋。寒い時季は鍋が一番だ。又吉直樹の小説『火花』の中の会話に、何が食べたいと訊かれて「鍋」と答えたら 「あんた、あんな固いモン食うんか」 と返される場面があったけれど。 で、鍋を囲んで飲み、かつ食べながら、前日録画しておいたNHK『100分de名著』を視る。「資本論」を齋藤幸平が解説するというから。 一回25分で4週続く。25分×4=100分だから、それで「100分で名著」ということらしい。 価値と使用価値、あるいは「物象化」とはどういうことか等々を齋藤講師は巧みに解説していたから、残り3回もたのしみである。 ただ一カ所、これは齋藤の説明ではなくアナウンサーのナレーションで、イギリスにおいて16世紀ごろ「囲い込み」運動が始まる前の農民の状態を説明するのに、酔流亭の聴き間違いでなければ、当時の農民たちが主に共有地で耕作していたと聞こえるようなところがあった。 共有地はたしかにあったろう。しかし、農民たちは共有地で補いつつ、生産活動の主要な場は自分たちが占有する農地ではなかったろうか。そう考えないと自営農とかヨーマンリー(独立自営農民)のイメージがつかめないように思うのだが。そうしてヨーマンリーの存在抜きにイギリスにおける資本主義の勃興を捉えることはできないのではないか。 共有地での耕作が強調されるのは、齋藤はコモン(共有)ということを強く打ち出す論者だから、講座が進むにつれコモンの思想を押し出していくだろうことの伏線ではあるのだろうが。 このあたり、酔流亭は不勉強なので放送の回がかさなるのに合わせて勉強していきたいところだ。また、齋藤の「コモンの思想」については強い関心を持っていることを打ち明けておきます。 このブログで齋藤幸平に初めて触れたのは一昨年の10月。下に貼り付けるのは、その更新記事(2019年10月30日)です。 #
by suiryutei
| 2021-01-07 08:26
| 身辺雑記・自然
|
Comments(2)
去年一年間をふりかえって、自分の実(み)になってよかったと思えることの一つは、野間宏の戦後すぐの作品のいくつかを精読したことである。HOWS(本郷文化フォーラムワーカーズスクール)の昨年度後期カリキュラムに組み込まれた[大西巨人の批評を読む]という講座で大西の『真空地帯』批判がテーマに取り上げられ、その報告者の一人を任されたからだ。 酔流亭が報告を担当した講座は10月初めだったから、あの雨続きだった梅雨のさなかに『真空地帯』を読み始め、いま読書ノートで確認すると読了したのが7月31日である。 去年の夏は暦に几帳面であったというのか妙にメリハリがあって、やたらダラダラ長かった梅雨が7月いっぱいで明けるや、8月1日から俄然、猛暑となった。その炎暑の下で、野間の他の作品もいくつか読んだ。『真空地帯』(1952年)を理解する上で、やはり特別重要と思われたのは『暗い絵』(1946年)である。その理由についてはHOWS講座での報告及び、それを文章化した『野間宏と大西巨人』(【A・Z通信】No.40寄稿)に述べたとおり。後者を転写した更新記事を下に貼り付けておきます。 上掲の文中にもあるように、『暗い絵』に登場する3人の左翼学生には実在したモデルがいる。作中の永杉英作は実在した人物としては永島孝雄で、小説に描かれたとおり京大ケルンのリーダー格であった。木山省吾は布施杜生。治安維持法被疑者や朝鮮独立運動活動家の弁護で有名な布施辰治弁護士の長男である。そして羽山純一は小野義彦だ。 治安維持法下の1930年代である。小説では3人とも獄死したことになっている。しかし現実では永島孝雄と布施杜生は獄死するが、小野義彦は招集された軍隊で学生運動の実績がバレて軍事裁判にかけられ懲役5年を言い渡されたりするも、生き残った。そして戦後はマルクス主義の立場にたつ経済学者として活躍することになる。 酔流亭はこの三が日、駅伝TV観戦や酒飲みの合間に『現代日本資本主義論争』(高内俊一 著 三一書房)を読み進めていたのだが、この本が取り上げている資本主義論争において小野義彦は主役の一人だ。たとえばこんな記述。 「・・この論争における自立論者のチャンピオンが、はじめは内田譲吉氏、ついで小野義彦氏、佐藤昇氏であり、とくに60年までの小野氏の活躍は目ざましい。換言すれば58年以降60年までの論争の顔ぶれは、自立論者小野氏対従属論者すべてといってもおかしくないほどであった」(86ページ)。 自立論と言い従属論と言っても、マルクス経済学者同士の議論だからアメリカに従属するのがいいか悪いかといったようなことが論争されたのではない。日米安保条約を非とすることは共通している。革命運動の戦略対象たる日本資本主義の性質や動向、運動の力点をどこに置くかが論じられた。 この本(『現代日本資本主義論争』)の我が家にあるのはは1973年出版だが、初出は1961年。取り上げられているのは上の引用にあるように1958年~60年の論争なので、もう60年も前になる。 しかし、この論争は面白い。著者の叙述が手際よいこともあって、非常にレベルの高い議論がされていたことがわかる。そうして『国体論』(白井聡)のような著作(2018年)がつい最近も話題になったように、対米従属をどう分析するかは今日でも重要な論点だ。この点、逆説的ながら従属論よりも小野自立論のほうに対米従属の内実を解く鍵がかえって潜んでいるように酔流亭などには思われる。 レーニンがかつて規定したように帝国主義の本質は独占資本主義。1945年の敗戦で灰燼に帰した日本だが独占資本主義は残った。第一次世界大戦敗戦後のドイツと似ている。そうして戦後、日本経済が急成長して日米資本主義同士の矛盾が激化していく。それも一つの条件として(決定的に重要な条件は人民の闘いだが)、論争が行なわれた当時は軍事ブロック(日米安保体制)から日本が離脱する可能性(中立化)も無かったわけではない。しかし、安保闘争の敗北以降そうした方向は摘まれて帝国主義同盟としての対米従属が強まっていくのである。 小野理論の評価はともあれ、『暗い絵』に描かれた、治安維持法下に苦闘した若者の一人の戦後の軌跡に感慨を持たないわけにはいかない。 小野義彦は大阪市立大学教授などを務めた後、1990年に76歳で亡くなった。下に貼り付けるサイトの下段に載っている吉村励氏の文章『小野さんの歩んだ道』も是非一読されたい。 #
by suiryutei
| 2021-01-05 08:48
| ニュース・評論
|
Comments(0)
「正月時代劇」ということで、2日夜にNHKで放送された『ライジング若冲ー天才かく覚醒せりー』というドラマを録画しておいて視た。題名にある通り、江戸時代の絵師、伊藤若冲が主人公。演じたのは歌舞伎役者の中村七之助だ。 江戸時代の絵師を描いたNHKのドラマというと、2017年夏に放送された『眩(くらら)ー北斎の娘ー』という作品が、葛飾北斎の娘でやはり絵師であった「お栄」という人を宮崎あおいが演じていて、なかなか見応えがあった。あおいちゃんが徳利を側に置いて盃を口に運びながら絵筆を振るう姿が粋であった。 それで、今度も視てみる気になったのだ。こちらもなかなかいい作品であった。 円山応挙と池大雅も出てきた。若冲と合わせて、この3人が同じ時期に活躍していたということを初めて知った。池大雅夫人も<玉潤>と号する絵師であったという。そのことも知らなかった。ドラマでは門脇麦が演じた。 もっともドラマの主人公、伊藤若冲だって、酔流亭が名を知ったのは30歳も過ぎてからのことだ。維新以降の近代化の時代あまり評価されなかったのが、20世紀も終わり近くあたりから再評価されるようになったらしい。酔流亭はたぶん加藤周一のエッセイでその名を目にしたのが最初だと記憶する。 ずいぶん前に松江の宍道湖の畔にある宿屋で若冲の作と言われる画を見たことがある。何を描いていたのか憶えていないのだけれど。 「若冲の画が残っているなんて、すごいですね」 宿の人に言うと 「落款は無いのですが、若冲作とずっと伝えられてきました」 評価されずに世に埋もれていた時代をくぐりぬけた作品であったろうか。
#
by suiryutei
| 2021-01-04 15:51
| 映画・TV
|
Comments(2)
酔流亭が暮らす千葉県我孫子市にキャンパスがある中央学院大学はここ10数年、箱根駅伝の常連校であった。10年ほども前であろうか、新宿ゴールデン街で飲んだとき、たまたま同じ店にいた若いサラリーマンが中央学院大学の卒業生だと知れるや、店内の一同、客も店の人も口を揃えて 「走るの、早いんでしょう!」 彼は別に駅伝部にいたわけではないので「とくべつ早くはないですよ」と否定していたけれど、中央学院といえば駅伝が強いというイメージはそれくらい定着している。 ところが、その中央学院大学のあのお馴染みの紫と黄色のユニフォームが昨日・一昨日はTV画面に視ることができなかった。いや出場を逃した大学の選手から選抜される「関東学連」チームに一人選ばれていたから、往路の一区間ではちらりと視ることはできたけれど。 中央学院大学は、去年11位でシード権を逃し(シードは上位10校まで)、秋に行なわれた予選会では12位。箱根駅伝はシードの10校と予選会の上位10校とで争われるから今年は出場を逃してしまった。 駅伝という競技には全体主義的なところがある。ランナーが走行中に体調に異変を起こして、個人競技だったら棄権するようなケースであっても駅伝だとチームの他のランナーのことを考えるとどうしても無理をしてしまう。場合によっては選手生命を潰してしまうようなこともあるのではないか。そこまでいかなくとも、かつてはかなりレベルの高かった日本の男子マラソンがこのところ振るわないのは年がら年中駅伝ばかりやっていて燃え尽きてしまうからではなかろうか。 昨日・一昨日の箱根だって、ランナーの後ろにつく車から監督が選手に声をかけるのに技術的なアドバイスならわかるが「前のランナーの走りを無にするつもりか!」なんて恫喝みたいな檄を飛ばすのはどうかと思う。 学校を卒業して就職したらしたで、実業団駅伝は、日本はこのとおりの企業社会であるから、学生以上にチーム(企業)のために頑張るというのが強いかもしれない。 そういう問題点は思いつつも、酔流亭は正月に駅伝のTV実況を視るのはけっこう好きである。元旦の実業団は前橋でやるから上州の山並みが美しいし、2日・3日の箱根駅伝は、湘南の海、箱根の山道、そうして時折映し出される富士山がじつによい。今年の正月、関東は快晴だからなおさらであった。 しかも今年の箱根は、レース展開もスリリング。最終10区で、引き継ぎの時点でトップから3分以上の差をつけられていた駒澤大学のアンカーが猛追、残り2㎞まで来て一気に逆転した。 さきほど車から監督が選手にかける声に苦言を呈した。しかし、このときの駒澤大学の大八木監督が選手にかけた「お前、男だ!」という一言は、ジェンダー的には問題ありにしても今年の劇的レース展開を象徴して長く記憶されそうである。 #
by suiryutei
| 2021-01-04 09:05
| スポーツ
|
Comments(2)
元旦の夜といえば、朝から飲み続けているのだから、いい加減酔っ払っている状態であった。 もっとも、朝から飲んでいるということは、時間をかけて、休み休み飲むわけだから、酔いながら酔いが醒めてもいく、そのくり返しである。したがって泥酔していたわけではない。・・・なんて言っても言い訳がましいか。 で、夜7時から、NHK教育TVでウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートの実況が始まった。コロナ禍の今年は無観客での演奏だ。 指揮者はイタリアのリッカルド・ムーティである。この業界のことに酔流亭は暗いのだが、スタジオに招かれた解説者の言うことに、1941年生まれで今年80歳になるムーティは今やクラシック音楽界の帝王であるという。なるほど元旦にウィーンでタクトを振るというのは、そういう存在だということだろう。 酔流亭はムーティのレコードを一枚だけ持っている。ベートーベンのピアノ協奏曲であって、ピアノを演奏しているのはスヴィアトスラフ・リヒテル。 1977年の録音だから、ムーティはまだ30代である。リヒテルは1915年生まれ(1997年没)なので、親子くらいの年の差がある。 それで、酔流亭としてはムーティのレコードはこれ一枚しか持っていないものだから、このレコードジャケットの写真にある青年ムーティのイメージをずっと持っていた。しかし、元旦のTV画面でのムーティはたしかに堂々たる巨匠だ。80歳にしては若々しいけれど。 ニューイヤー・コンサートではいつもベートーベンなんか演奏されない。ヨハン・シュトラウスの曲なんかが中心である。そこはハプスブルク家のお膝元ウィーンだ。 酔流亭は昨日、ムーティ&リヒテルの共演によるベートーベンを久しぶりに聴いてみた。リヒテルは同世代のエミール・ギレリスと共に好きなピアニストである。 去年はベートーベンの生誕250年そしてレーニンの生誕150年だったということを何度か書いてきた。年が改まってしまったので、この250年・150年はもう話の種に使えないなと思っていたところが、元旦に活動家集団『思想運動』から届いた年賀状に今年はパリ・コミューンから150年と書いてある。 その区切りとなる年に、コミューンの思想を復権させたいものである。
#
by suiryutei
| 2021-01-02 15:56
| 音楽
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||