新人事制度 大阪での報告①~③
最新の記事
タグ
労働(77)
郵便局(27) 辺野古(21) 韓国(19) 朝鮮半島(11) 文学(9) なつぞら(8) NHK朝ドラ(6) 蕪水亭(5) ベネズエラ(4) 関西生コン(4) 関西生コン労組(4) 神田まつや(4) 台風19号(4) 慰安婦(3) 生活綴り方運動(3) 徴用工(3) 天皇(3) 労働者文学(3) ノレペ・ウリナラ(2) 最新のコメント
最新のトラックバック
記事ランキング
カテゴリ
以前の記事
2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 more... ブログジャンル
画像一覧
検索
|
1
新聞『思想運動』5月1日付けの<書評特集>に寄稿した文章です。このブログへの転写が延び延びになっていました。 ![]() 隣国の朝鮮に対して日本がいかに悪らつな侵略行為をくり返し、ついには一九一〇年の併合にまで至ったか、日本人による研究の嚆矢は山辺健太郎のそれであろう。しかし、その山辺にして、たとえば不朽の名著『日韓併合小史』(一九六六年)でも日清戦争開戦時の日本軍による朝鮮王宮占領について記述は詳細とは言えない。また、これに前後する東学農民戦争(革命)は一八九四年春の第一次と同年秋から翌年にかけての第二次とに蜂起が分かれるのだが、日本の侵略に対する百万人規模の民衆抵抗となった第二次蜂起に触れるところは少ない。 それは山辺の非ではない。戦史が改竄されて真相は隠されてきたのだ。満州事変において満鉄線路を爆破したのは日本軍部が喧伝したように中国兵なのではなく、関東軍が仕組んだことは東京裁判によって白日にさらされた。しかし明治の日本が朝鮮半島でやったことについては国際的な審判の場に引き出されることがなかった。明らかになってきたのは山辺が没したのち、比較的最近のことなのである。一九九四年春、福島県立図書館の佐藤文庫で日清戦争の公式戦史の草稿を閲覧し、闇に光をあてたのが本書の著者、中塚明氏であった。改竄される前の草稿であるのが重要だ。王宮占領はそれまで言われてきたような、銃の弾がどちらから飛んできたかわからない偶発的な衝突から結果されたのではなく、日本の政府と軍部が腹を合わせて計画的に実行された。 さらに翌一九九五年夏、北海道大学の講堂で六体の頭蓋骨が古新聞紙に包まれ段ボール箱に放り込まれた状態で発見された。そのうちの一つには「東学党首魁」と墨で書きつけられている。遺体のこんな扱いは非道と言う他ないが、せめての救いは、このとき北大に井上勝生という良心的歴史家がいたことである。井上教授は遺骨の故国への返還に尽力するとともに東学農民戦争の実像を明らかにしていく。本書を読まれた方は、井上氏の労作『明治日本の植民地支配』(岩波現代全書)も併せて読むといい。 東学農民戦争のうち、ことに第二次蜂起が闇に封じられてきたのは、日本軍によって鎮圧される過程が凄絶なジェノサイトだったからだ。ライフル銃で武装する日本の討滅部隊に対して竹槍かせいぜい火縄銃しか持たない農民は、日本軍をしばしば翻弄するものの次第に追い詰められ殲滅される。三万人から五万人が殺された。北大に放置されていた頭蓋骨は、日本軍に処刑され晒し首にされた蜂起指導者のものだ。そうした殺戮の上に遂行されたのが朝鮮の併合である。植民地支配がどれほど酷い犯罪であるのか、それに手を染めた者のモラルを退落させていくか。中塚氏のこの本に余すところはない。必読されたい。 ![]() ▲
by suiryutei
| 2019-05-11 08:26
| 文学・書評
|
Trackback
|
Comments(0)
今夜はたっぷり寝ようと早くから寝床に入るとかえって失敗する。昨夜から今朝にかけての酔流亭がそうだった。 10時前には横になったのである。すぐ寝入れた。ところが夜中に目が覚めてしまう。枕元に置いた時計を見るとまだ午前1時半を過ぎたばかり。 しばらくじっとしていたが、眠りに戻れそうもない。思い切って寝床から出た。一階に降りて食事室に入る。ストーブを点けた。灯油は買い足したばかりなのは昨日のブログに書いたとおり。 食卓の上に、象徴天皇制について渡辺治さん(一橋大学名誉教授)の発言が載った新聞記事の切り抜きが置いてある。昨日の朝刊からで、昨夜、寝る前に切り抜いておいたのだ。 朝日新聞の[耕論]という欄に、3人の識者からの聞き取りの一つである。あとの2人というのは皇室ジャーナリストと東大准教授の歴史家で、3人の中では渡辺さんの発言に酔流亭はいちばん共感したのである。いや天皇制について近頃マスメメディアで目にした限りの言説の中で、昨日の朝日紙上における渡辺さんのそれは抜きん出て優れていると思う。 ・・・冷戦終結後、日本が大国として世界に打って出ようとしたとき、かつて起こした侵略戦争や植民地支配への「謝罪」を表明する必要が出てきた。そこで、直接の戦争責任を持たない現天皇を政治的に利用しようとしたわけです。・・・ しかし、重要なのは、この先だ。 ・・・しかし、天皇の個人的思い入れによって、制度として天皇の政治的行為が拡大されることは大きな問題です。 いま上の文章を書き写しながら、デヴィッド・ハーベイの名著『新自由主義』の邦訳を監修したのは渡辺さんだったのを思い出した。また歴史家・松尾章一氏は、服部之総から影響を受けている今日の著述家の一人に渡辺氏を指折っている。 さて、短いスクラップ記事を一つ読み返しても、夜はもちろんまだまだ明けない。朝刊もまだ来ない。読みかけの『中野重治全集』の十二巻目を本棚から持ってきた。その巻には敗戦後数年間に書かれた随筆や評論が収められている。ページを読み進めていった先に『「婦人の日」について』という題のついた短い文章にぶつかったのはまったく偶然なのであるが、それが3月8日の当日だというのが巡り合わせの妙である。 その文章が書かれたのは1948年の3月27日。そのころ、祝日として「婦人の日」をいつに定めるかということについて、二つの説が争っていたらしい。一つは3月8日の国際婦人デーが、世界各国で祝われているように日本においてもそうあるべきだとする意見である。ところが、もう一つ、4月10日を「婦人の日」にしようという意見も出された。これは「日本の婦人が初めて投票権を使った日」ということである。3月8日の国際婦人デーはドイツの社会主義者クララ・ツェトキンが提唱したことが沿革であるように、社会主義運動の流れから出てきていることに保守派の人々が反発して4月10日を持ち出してきたのだ。 中野の文章に即して言えば、中野がそれを書く直前、その年の3月25日発行の朝日新聞に小説家の平林たい子が4月10日を推す文章を投稿した。中野の文章はそれへの批判だ。 ・・まったくの話、こんな新聞投書で、保守的な四月十日運動に手助けできると考えている平林君の身ぶり全体こそ「情けない」。女の日は三月八日である。世界的にはもちろん、二十年こっち、まじめな日本の女たちが苦労をしてこの日のためにたたかってきている。多くの働く女たちがたたかってきている。 「この日のためにたたかってきている」「まじめな日本の女たち」を酔流亭も何人も知っている。8日には一日遅れて、東京では明日(9日)に国際婦人デー集会が開催される。酔流亭も参加します。 2019/03/09 国際婦人デー3・9東京集会 特別講演:中原道子(東京・文京)●3月9日(土)国際婦人デー3・9東京集会特別講演:中原道子(「戦争と女性への暴力」リサーチアクションセンター VAWW RAC共同代表) 歴史は墨でぬりつぶせない――天皇の戦争責任を問う 会 場:東京・文京区男女平等センター 午後1時開場 1時30分開会 ※ 詳細についてはHOWS事務局までお問い合わせください。 問合せ:HOWS事務局 TEL.03-5804-1656 E-mail : hows@dream.ocn.ne.jp ▲
by suiryutei
| 2019-03-08 09:26
| ニュース・評論
|
Trackback
|
Comments(0)
韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長が慰安婦問題に関して 「日本を代表する首相あるいはもうすぐ退位する天皇が謝罪するのが望ましい」 という旨のことを述べたのが相変わらずマスメディアを賑わせている。 気づいたことがある。騒いでいるうちにいつのまにか首相の存在が消されてしまっていることである。だが、報道によれば韓国の国会議長はこう述べたのである。 「一言だけでいい。日本を代表する首相、または私としてはもうすぐ退位する天皇が(謝罪するのが)望ましいと考える」(米ブルームバーグ通信が今月8日に配信したインタビュー記事)。 それが天皇だけに的が絞られた(韓国国会議長が絞ったのではない。日本の政府とメディアがそうしたのだ)理由はたやすく想像がつく。いつかこのブログでも太平洋戦争開始直前に斎藤茂吉が詠んだこんな歌を紹介したことがある。 天皇のいまします国に「無礼なるぞ」われよりいづる言(こと)ひとつのみ 昔も今も変らない、このどうしようもない天皇崇拝感情に火をつければ反韓・嫌韓感情をやすやすと燃え上がらせることができるからである。それは理性を麻痺させ、ものごとを筋道立てて考えることをできなくしてしまう。 天皇制がこういう形でも悪質に政治利用されていることをしっかりと見ておかなくてはならないだろう。 それにしても韓国の国会議長が言ったことの何がおかしいのだろうか。伝えられる「本当に申し訳なかったとひとこと言えば問題はすべて解消される」という発言は、朝鮮を植民地支配していた時代、日本がかの国の人々に何をやったかに思いを致せば、むしろ抑制された言葉ではないのか。事実は、大日本帝国の犯罪は天皇が何かひとこと言ったくらいのことで片付きはしないのである。 だから、「日本は盗人猛々しい」という韓国国会議長のその後の発言も、日本社会の非常識ぶりを見ればきわめて当然だろう。 昨日の昼、昼食を摂りながら見ていた民放のTV番組でもこの問題が話題にされていた。例によって韓国がけしからんの一色である。解説者は韓国に対して経済制裁をやれと唆す。呆れたのは司会の若い男性アナウンサーの言動だ。「3.1独立宣言」について、「どこから独立するって言うんですか?」と真顔で解説者に訊いているのである。日本が朝鮮を植民地支配した歴史を、いくらなんでもまさかと思うが、知らないのであろうか。 首相の存在が消えたと先ほど書いた。この首相は、韓国側に「謝罪と撤回」を求めているのだという。一番に謝罪しなければならないのはコイツであるのに。 関連する過去ログとして 上に貼り付けた記事に書いた2.14集会は約100人の参加で盛況でした。集会の報告は後日このブログにもUPする予定です。 ▲
by suiryutei
| 2019-02-21 09:28
| ニュース・評論
|
Trackback
|
Comments(3)
1 |
ファン申請 |
||